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~ご挨拶~

掲載日:2015 年 12月 30 日

  皆様にはこの一年ご協力をいただき本当に有難う御座います。年末に当たりこれまでの活動報告をさせていただきます。

 本年譲渡会等で決定した犬猫はこれまでに171匹、累計で4.247匹になりました。振り返ると出会った犬猫達それぞれに様々な背景があり、スタッフとして関わった子達に対しては複雑な思いがあります。認知症になった高齢者に飼われていて、劣悪な環境下で生活していた2匹の犬達。どちらもペットショップで販売されるような犬種で若い子達でした。
 最初に飼い始める時に自分の年齢を考えるべきではないかと思うのですが、子犬から・・・という固定観念で自分の楽しみを優先される飼い主さんでした。そして認知症になりきちんとした飼い方ができなくなると、親族の方が、飼い主さんを施設に入れ財産を処分しようとして、犬達が邪魔になり里親探しを依頼してきたケースでした。スタッフが訪問して目にしたのは想像以上にひどい状況でした。
 日のあたらない土間に排泄物が溢れ、その中で2匹の犬達はご飯を貰えると思って喜んで飛びついてきたそうです。この子達なら時間をかければ必ず里親さんが見つかると判断し、スタッフの一人が預かってくれる事になりました。
 飼い主の親族の方は預かり中の食費や雑費として支払いを約束されたのですが、結局支払われず連絡もとれなくなってしまいました。飼い主さんの自宅を訪問すると既に売却されていて、本当に犬達が邪魔だったんだなと納得しました。
 最終的に会が費用の負担をしましたが、とてもよい子達でもあり、二つの命が救われ、良い里親さん宅で暮らせる事で良しとしようと皆で話す事でした。

 又今年は天変地異の多い年でもありました。桜島に避難指示が出されたり、口永良部島の全島避難もありました。どちらも人間が優先でしたが、報道等で口永良部島は犬猫も共に避難できていました。
 一方桜島は鹿児島市でありながら、避難は人間だけで犬は繋いだままの置き去りでした。異常な雰囲気にガタガタ震える犬の様子が放送され、全国各地から非難の声が上がったため、犬は関係機関が保護されたようです。
 でも猫達は残されたままでした。私達の会はほんの小さな会ですが、同じ鹿児島市で目の前にいる猫達なのにただ手を拱いている訳にはいかないと、有志が桜島に渡り、成猫15匹を捕獲手術して元の場所に戻しました。
 同時に保護した子猫4匹は里親探しをしました。成猫なら何とか自分の身を守れますが、子猫はなす術もなく、産まれないように不妊手術をしてあげるしかできなかったからです。

 又「日本動物基金」が実施している「さくら猫」活動として、三島村の竹島が手をあげ、200頭程が手術されました。しかし手術できなかった子達もおり、役場と基金双方から未手術の子達の手術協力の依頼がありました。捕獲器を貸し出し、村営船での送迎、料金の割引交渉、助成金の支出と協力しました。
 このように通常の活動の他に、新たな取り組みも行いました。会の代表として、小さな会ではありますが、精一杯の活動をしてきたとスタッフを褒めたい心境です。手術の数はこの1月から562匹、累計で7.535匹となりました。助成金の効果です。

 来る28年も様々な相談があるでしょう。辛くて心が折れそうになる時もあるでしょう。そんな時共に慰めあい、労わりあい励ましあえる仲間の存在に感謝の念で一杯です。どうか来年も会のスタッフへ変わらぬご支援をいただけますようお願い致します。

1年間有難うございました。どうか良い新年をお迎え下さい。
 NPO法人犬猫と共生できる社会をめざす会 理事長 杉木和子